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家庭菜園 自家採種の成功と失敗

家庭菜園
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長野に移住してから、細々と家庭菜園をしています。

今の畑で作付け始めて、今年でようやく2年目になります。この短い期間では学びの連続でした。

作物を育てるということは思った以上に難しいです。

そして、うまく育たない場合。それはほとんど育て手の責任であると、日々学んでいます。

今回は自家採種の成功談と失敗談をオクラを例に記事にしてみました。

自家採種とは

自家採種とは自分で種を採取する事です。

昨今は自家採種について様々なことが言われています。

通常は、ホームセンターなどお店で種を買って、それを植えて育てていきます。

うまく作物として育った野菜たちは、種を残す力も秘めています。

野菜たちの一部を種取り用に残して、種ができるまで育てて行くと採取できる状態になります。

自分で採取した種は、次に作付けする時に使用できるのです。

自家採種の利点

自家採種にはこのようなメリットがあります。

・土地に馴染んだ種が生まれる

地球上の土はどれも同じではありません。その土地それぞれで土は全く違ってきます。

僕は農を初めた当初。このことをあまり知りませんでした。もっと言うと、知った気になっていたいたのです。

農家にとって、最も重要なのは紛れもなく「土」です。作物がよく育つ土にするには、それ相当の努力がいります。

それに、土作りは一筋縄では解決しないのも特徴です。隣の畑同士でも土質が違い、隣の畑と同じように土作りしても、良い土はなかなか生まれないのが難しいところです。

次に重要なのが「種」です。その土地に根付く種(品種)なのか、見極める必要があります。

自分の土地の土質を理解して、どのような作物が育つか見極めて作付けするものを決めていきます。

そして、自分の畑で取れた野菜の種を採取します。

最近の農家さんは、自家採種はしません。自然農法をされている方や、家庭菜園をされている方など一部の人がやられています。

実は作物は、その土地での生き方を学んでいます。学んだ知識は次の世代の種に引き継がれているのです。

なので自家採種した種は、自分の土地に根付きやすい作物に変わっていきます。

すると作付けに失敗することがなくなり、元気な野菜を育てることが出来ます。

土を育て、土に合った野菜に育てる。このサイクルが後に畑を豊かにしてくれます。

けれど、自家採種には一つ注意が必要です。それは事項で説明します。

・原種帰りできる

一般に販売されている種の殆どは「F1種」という種になります。

他には「固定種」や「原種」と言われる種も販売されていますが、現在は「F1種」がもっともメジャーです。

「F1種」とは、いわば「雑種」の事です。Aという種類のトマトと、Bという種類のトマトを交配させて「雑種」を作ります。

異なる種を交配させることで新しい雑種をつくる

こうして生まれたー世代目の雑種は、丈夫な種として生まれます。大きく成長し、収量も多く、気候や病気にも強い品種になります。

これは遺伝子の法則の一つです。例えば人間も同様で、遺伝子が遠く離れた(例えば外国人)と結婚し、生まれた子供は丈夫な子供になる場合があります。

しかし、この法則は一世代目のみに見られる現象です。

翌年も同じように強い品種を育てたいとなると、F1種を新しく購入しないとなりません。

一方、原種とは交配前の元々の種の事です。

交配していないのでF1種の様な強い種ではないですが、自家採取を続けても安定して生産を続けることが出来ます。

F1種を更に交配させると、交配前の種が一定数生まれる

そしてF1種からも原種を作ることは可能で、F1種から採取した種の一部から原種と同等の遺伝子を持つ種が生まれます。

その原種を育て続けることが出来れば、翌年もその次の年も、自家採取の種で生産できるようなります。

種の購入費用がかからない

自家採取すれば、種の購入費用はかからないー。これは当然と言えば当然ですが、結構重要です。

畑を始める際に土づくりを最初に行いますが、必要な肥料や堆肥もそれなりに高額になります。

そのうえで種も購入し、病気や虫などから守るために農薬も準備するとなると。。たぶん野菜はスーパーで買った方が断然安上がりになります。

なので、コストを抑えられるところは抑えておきたいと、私は考えています。

種だって自家採取すればコストを抑えられます。

自家採取の欠点

自家採取にはリスクがあります。

そのリスクとはどういったものでしょうか。

何が生まれるかわからない

原種の野菜から種を取り、育てる分には問題ありません。

けれど、F1種から採った種の場合は、F1種とは全く違ったものが生まれます。

交配する前の「父」「母」から引き継いだ種類が生まれたり、実の付かない種類が生まれたり、どんな種類の野菜になるのか育ててみないと分からないのです。

なので目的の品種を求めている場合、自家採取は向いていません。

「どんな種類ができるかな?」と、楽しみをもって続けられる野菜で取り組むのが良いでしょう。

種がカビる

採取方法や時期を誤ると、種がカビたり成長前の種を取ってしまったり、と失敗する可能性があります。

採取方法は野菜栽培の本に書いてあるものもありますが、文章や写真だけでは分からないことも多いです。

家庭菜園の仲間や、自然栽培を愛好している方などに種の取り方を聞いて始められるのがおすすめです。

けれど近所にそういった仲間が近所にいない場合もあります。そういう時は失敗を恐れずチャレンジしてしまうのも良いと、僕は思っています。

オクラの自家採種

今回は育てやすいオクラの自家採種を行いました。

オクラは収穫も簡単ですし、自家採種も始めやすい野菜です。

けれど、このオクラでも採取を失敗してしまう事があります。

ポイントは乾燥です。

採種用オクラの収穫

種取り用のオクラは、通常食べるために収穫するオクラを放置しておきます。

病気がなく生育の良い株を選んで、「この株から種を取ろう」と予め目星をつけておきます。

オクラを複数育てていると、収穫し忘れたり追いつかなくて、実が肥大したものが出てきます。そういうオクラを種取り用に残しておくのもいいでしょう。

放置していると実はかなり肥大していきます。

肥大が落ち着くと変色し、固くなり、枯れるように乾いていきます。

枯れるほど変色したら収穫時期です。

収穫時期を迎えたら、それ以上放置せずになるべく早く収穫します。

実ごと乾燥させる

収穫したオクラは、枯れていてカサカサしていますが、実はまだ乾燥が足りません。

屋内の風通しの良いところで、しばらく乾燥させます。数日かかるので、「寝かせる」と言ったほうがしっくり来るかもしれません。

しばらく寝かせると、鞘から亀裂が入り種が顔を出します。

綺麗に乾燥できた鞘と種

鞘に亀裂が入り始めたら採取時期です。鞘から種を綺麗に取り除いて、種を保管します。

乾燥を怠ると。。

乾燥が不十分だと種はカビてしまいます。

僕の場合、屋内で乾燥させたオクラはとても綺麗な種が出来たのですが、

畑に枯れた株のまま放置し、自然乾燥させた実はカビていました。

株をそのまま枯れるまで放っておき、そのまま実をつかせておいて、自然の力で乾燥させようしたのですが、これは失敗でした。

種が黒く、表面に白ごまのようなカビが吹いている

 

秋口の雨の影響や冬の朝霜の影響で、自然環境ではうまく乾燥できなかったのです。

見た目は乾燥しているようですが、鞘は剥きづらく多少湿気っているようでした。

種には、小さなカビが発生していて、中にはカビで覆われてしまった種もありました。

地域によって自然に乾燥できる所もあると思います。

今回のオクラは沖縄育ちの「島オクラ」でした。なので、沖縄であれば外で自然に乾燥させても大丈夫かもしれません。

しかし、屋内であれば気候に関係なく適切に乾燥させる事が可能です。

健康な種を用意できたら、また次のシーズンに芽を出してくれるのが楽しみになりますね。

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